ハート島熱風食堂
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STORY 06 おじいの海

STORY
01.春の嵐
02.島の子
03.あたらしい夏
04.黒潮の便り
05.明日定食
06.おじいの海
07.元気そば
08.満天の星
09.天使の休日
10.待っている人
11.涙の浜辺
12.本日営業日和
13.いのちのうた
14.店主の器
15.名もなき花で
16.笑顔農園
17.夢の一滴
18.見えない力
19.夏はお熱く
20.恋する珊瑚礁
21.島の魔法
22.ウミガメ物語
23.五風十雨
24.心の花
終 章
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ハート島熱風食堂


第6話 おじいの海

太陽の下、せっせと畑の世話をするハツミ。 おじいがいなくなった畑で、ヒラミレモンは今年もきちんと実をつけた。

港で七人組の常連客を迎えたマリーは、 空港の島で風おじいに会ったといわれ、返答に困ってしまう。
ところが、ショウちゃんが風おじいそっくりの人を見たと、食堂に駆け込んでくる。 息子の予防接種でその島に行ったキヌエねーねーも風おじい目撃を報告。 熱風食堂は騒然とする。

もしや生きているのでは・・・オッチャンは食堂を臨時休業して、 ショウちゃんら青年団と風おじい捜索隊を結成、空港の島へと向かう。 希望こそ力とばかりに神様にお祈りをはじめるトキおばぁ。 保育所の子供らと願い笹をこしらえるヨッちゃん。 そんな中、風おじいと旧知の仲にあった徳三おじいだけは、 「あいつは海になった」と繰り返し、みんなから人でなしと責められる。
心揺れるマリーだったが、ククルヌパナに風おじいの消息をたずねる勇気はなく、 誰もいない食堂をただ行ったり来たりするばかり。 これでもかと晴れた空、長い長い午後となった。

食堂をたずねたハツミは、落ちつかない様子のマリーに、 風おじいはどんな人だったのかとたずねる。 うまいこたえが見つからないが、おじいは海の彼方から吹いてくる風のような人だ。
そのとき、七人組のひとりが海で姿を消したとの知らせが入る。 マリーは動揺をおさえてククルヌパナを発動し、 リーフの外で流れにもっていかれた彼を発見。 たすけを求めるが、男達はみんな風おじい捜索に出ていて手立てがない。 ひとたび沖へ出れば、西への流れははやい。
マリーの脳裏にあの嵐の記憶がよぎった瞬間、 髭面の海きりんが海からあらわれ、瀕死の彼を救う。
ほっとするマリー。ハツミは大げさな声援を送るが、 海きりんは神妙な面持ちのまま、黙って海へ帰ってしまう。

その夜、民宿で恒例の花火大会が行われた。 七人組は島の子供たちをよろこばせようと、毎年、大量の花火を持ってくる。 マリーも去年まではおじいと一緒にこの花火を見た。
結局、捜索隊は風おじいを見つけることはできなかった。 他人の空似か、ただの幻だったのか、こたえは神のみぞ知るだ。
オッチャンはマリーを悲しませまいとつとめて陽気にふるまったが、 マリーは今日の命が救われたことによろこびを感じていた。きっと風おじいのおかげだ。

花火の場にふらりとあらわれた海きりんは、 すべてを知っているような目で「風おじいはちゃんと生きているさ」と笑って、
「こん中にな」と、親指を自分の胸に押しあてた。
島にいるからこそ思い出して、こっそり泣いたこともあった。 ひとりの人がこの世からいなくなることは、とても大きなことだ。 けれど、マリーがおぼえているかぎり、おじいはこの島とともにある。



海の自慢は仲本で
おかの自慢は我が家かな
ハートのかたちだハート島
生きてるだけでまるもうけ





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