ハート島熱風食堂
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STORY 07 元気そば

STORY
01.春の嵐
02.島の子
03.あたらしい夏
04.黒潮の便り
05.明日定食
06.おじいの海
07.元気そば
08.満天の星
09.天使の休日
10.待っている人
11.涙の浜辺
12.本日営業日和
13.いのちのうた
14.店主の器
15.名もなき花で
16.笑顔農園
17.夢の一滴
18.見えない力
19.夏はお熱く
20.恋する珊瑚礁
21.島の魔法
22.ウミガメ物語
23.五風十雨
24.心の花
終 章
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ハート島熱風食堂


第7話 元気そば

食堂にスーツ姿の男があらわれ、オッチャンに、 近々オープンするレストランのチーフとして来ないかともちかける。 彼は料理人のスカウトマンで、かつて若き天才シェフと期待された オッチャンの腕を高く買っていた。 都会での地位を捨て、島で生きると決めたオッチャン。 一度はスカウトマンを追い返すが、正直、心がゆれる。

一方、マリーは食堂の前の浜で、東京から来た子供・サトシと出会った。 干潮の浅瀬でちいさなクマノミの家を見つけて歓喜する二人だったが、 迎えに来たサトシの母親にはばまれ、楽しい冒険は夕暮れを待たずして幕を閉じた。
サトシは親子でハツミの民宿に泊まっているという。 今まで夏休みに家族旅行など考えたこともなかったが、世間ではそれが普通なのだ。 マリーはちょっとうらやましいと思いながら、 自転車で通りかかったキヌエねーねーに家族旅行に行かないのかとたずねる。 この島で双子の海太と風太を育てる彼女は、「あいつらにはここがいちばんさ」と笑う。

翌朝、民宿にサトシを迎えにいったマリーは、朝食の席で元気がないサトシを見てしまう。 心配したマリーは、ククルヌパナの力で彼の心が病んでいることを察知し、 サトシを元気づけようと立ち上がる。
オッチャンにいつかの「元気そば」をつくってくれとたのむが、 オッチャンは心ここにあらずで、まともにとりあってくれない。
考えた挙句、マリーはサトシを島探検に連れ出す。 野生化してこの島にいついた孔雀を追って珊瑚の岩場に踏み込んだマリーだったが、 不注意から岩場を滑り落ち、サトシに怪我を負わせてしまう。

とりみだした母親にひどく怒られ、すっかり落ち込んだマリー。 月夜の浜辺で、こっそり宿から抜け出してきたサトシになぐさめられる。 サトシは、自分が心を閉ざしてしまった理由は、 いつまでも母親から子供扱いされるからだと告白。 しかしマリーは、心配してくれる人がいることは素敵なことだと言って、 逆にサトシを笑顔でつつむ。

そのやりとりを偶然みたオッチャンは、はたと我にかえり、 食堂に戻って鍋に火をいれるのだった。

翌日、熱風食堂に、例の親子が招待され、特製の元気そばがふるまわれた。 マリーは上機嫌。食べればもりもり元気になる不思議なそば。 汗をかきかきみんなで食べるひとときが、サトシの傷をひと夏の勲章に変えた。 サトシは強い男になると宣言。かたくなだった母親の目にも、いつしか涙が・・・

そこへ再びあらわれたスカウトマン。 出された元気そばを黙って食べ、オッチャンの返事をさとる。 そして「この店に負けないレストランをつくってみせる」と言い残し、笑顔で立ち去った。

今日も風がいい。ここは熱風食堂。ちいさいながらも、世界のどこにもない素敵な店だ。



庭に花咲く人となれ
雨によろこぶ人となれ
ハートのかたちだハート島
明日の風は明日吹く





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