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STORY
01.春の嵐 02.島の子 03.あたらしい夏 04.黒潮の便り 05.明日定食 06.おじいの海 07.元気そば 08.満天の星 09.天使の休日 10.待っている人 11.涙の浜辺 12.本日営業日和 13.いのちのうた 14.店主の器 15.名もなき花で 16.笑顔農園 17.夢の一滴 18.見えない力 19.夏はお熱く 20.恋する珊瑚礁 21.島の魔法 22.ウミガメ物語 23.五風十雨 24.心の花 終 章 全話一括表示 |
![]() 第10話 待っている人
保育所で、いつものように煙草をくわえたキヌエねーねーが、郵便配達のマサシを怒鳴っている。
双子の海太と風太を自然の中で育てたいと島に戻ってきた彼女だったが、
大阪に残った旦那から月1回届く手紙を楽しみにしていて、
少しでも遅れると決まって腹いせにマサシに怒る。
いつもヨッちゃんが仲介に入って、マサシは命からがら釈放される。
これもまた愉快な島の名物だ。
けれど、今回は半月以上も遅れ、キヌエねーねーのイライラはピークに達していた。心配したマリーはククルヌパナにたずねるが、 手紙はすでにとどいていると言って、風はやさしく歌うばかり。 そんなはずはないのだが、何をきいても風はこたえてくれない。 いったんあきらめたマリーだったが、 風おじいの畑で汗するハツミの姿を見て一念発起し、 ククルヌパナの力を自由にあやつれるようになろうとひそかに特訓をはじめる。 一方、取材事件の後、島にいついた天使は、 朝からあてもなく浜に行き、ただ海を眺めて毎日を過ごしていた。 現実主義のハツミはその行動を気味悪がったが、 男達は相変わらず天使の味方で、しばらくそっとしておこうと申し合わせていた。 唯一天使に話しかけたのは、オッチャンの父である徳三おじい。 昔話をはじめたら長いことで有名な徳三おじいは、 いい話し相手ができたとばかりに毎日浜へ出かけ、 天使をつかまえて長い長い昔話をきかせるのだった。 そんな折、キヌエねーねーが待つ手紙を実は天使がかくし持っているという根も葉もないウワサが流れ、 島は騒然とする。男達は根拠もなく天使をかばったが、それが裏目に出て、 キヌエねーねー自身も謎多き彼女に疑いを抱くようになる。 誰もいない浜でひとり特訓していたマリーは、 がんばればがんばるほどククルヌパナの力が遠ざかってゆくような焦燥の中、 海辺の岩にたたずむ天使を見つける。 そこはかつて島の人々が海の安全を祈った聖地。 海に手を合わす天使の姿に、この人は手紙をかくしたりしないと安心するマリー。 結局、成果が得られぬまま家に帰ったマリーは、 古老トキおばぁに「よい心はしぜんにそだつもの」と見透かされたように言われ、特訓を断念。 その夜、ククルヌパナは、近くの島まできている手紙の像をマリーに見せてくれた。 翌朝、たまらず港に出向いたマリーは、荷の中から例の手紙を見つけだし、 キヌエねーねーを驚かせる。待ちに待った手紙には、 骨折して手紙を出すのが遅れたことと、大変だから大阪に帰ってきてくれと書かれていた。 ほっとしたキヌエねーねーは、怪我をして電話ひとつよこさなかったことに怒りながら、 「あたしがこの島から出るかっつうの」とキメて、一同を笑わせた。 そのやりとりを見て微笑みながら立ち去る天使。 気になるマリーだったが、ククルヌパナに問うのはやめた。 時がくれば、彼女とも心をひらいて話せるだろう。ここはそういう島だ。 波はくるくる彼方から 風が幸よぶこの島は ハートのかたちだハート島 心の花を咲かせましょう |
ハート島人物録
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