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STORY
01.春の嵐 02.島の子 03.あたらしい夏 04.黒潮の便り 05.明日定食 06.おじいの海 07.元気そば 08.満天の星 09.天使の休日 10.待っている人 11.涙の浜辺 12.本日営業日和 13.いのちのうた 14.店主の器 15.名もなき花で 16.笑顔農園 17.夢の一滴 18.見えない力 19.夏はお熱く 20.恋する珊瑚礁 21.島の魔法 22.ウミガメ物語 23.五風十雨 24.心の花 終 章 全話一括表示 |
![]() 第11話 涙の浜辺
畑のニンジンが育ってきたことに上機嫌のハツミ。
ためしに一本ぬいてみると、とんでもなくやせたしょぼニンジン。
がっくり肩を落とすハツミを、修行が足りんと大笑いするマリー。そんな折、マリーはククルヌパナの力で、 食堂に新たな刺客が迫っていることを察知する。 果たしてやってきた刺客は、 食堂の壁に貼られた表彰状を見て「笑顔だけで料理は作れない」と不敵に笑った。 その名は野菜王・畠田翁。百姓の中の百姓を自負する野菜づくりのプロだ。 食堂の評判をききつけ、自分の畑でとれた玉ねぎをしこたま持ってやってきた野菜王畠田は、 うまく料理してみろと挑戦状をたたきつけた。 玉ねぎを手にとって本物だと認めたオッチャンは、 この挑戦を受け、勝負の新作料理にとりかかる。 ニンジンの一件ですっかり落ち込んだハツミだったが、髭面の海きりんから、 むかし風おじいがあの畑で大きな玉ねぎをつくったことをきかされ、一念発起。 やみくもに畑の世話に邁進するが、通りかかった野菜王畠田に、 島の土壌は赤土ではなく珊瑚の石灰質なので限界があると教えられ、愕然とする。 だが、頑固印の野菜王畠田も心細やかに手入れされた畑の様子に驚き、 ハツミに野菜作りの秘伝を伝授する。 「あんた、作物に話しかけておるか?」 一方、厨房で玉ねぎと格闘するオッチャン。 山積みされた玉ねぎをひとまず切ることにしたのだが、 なにしろ本物だけに、切るたびに目にしみて、早くも大粒の涙がぼろぼろ。 その様子を浜からじっと見ていた天使。 マリーが声をかけると、天使はおもむろに厨房にやってきて、 なぜかオッチャンの横で泣きながら玉ねぎを切りはじめる。 そこへ、自転車通りかかったキヌエねーねーが加わり、 天使が泣いている?との報を受けて集まってきた青年団の面々やヨッちゃんまでつかまり、 いつしか食堂の浜は号泣大会の様相を呈する。 オッチャンに頼まれて巨大な鉄板を持ってきた古老トキおばぁは、 みんなの様子に腰を抜かすのだった。 夕方、食堂の浜に出向いた野菜王畠田は、バーベキュー然とした様子に驚く。 オッチャンの勝負作は、巨大鉄板で一気にいためる玉ねぎと島牛のソテー。 島コウショウだけの味付けで、素材の甘みと辛さをいかす考えだ。 「なんでかこういうことになっちゃったんだよね・・・」 「あんたのおかげさ、泣いたらすっとしたよ」 半分は冗談で、半分は本音かもしれない。 よく見ると切り口がまちまちでせっかくの香りを殺してしまっているものもあるのだが、 集まった人々の笑顔に、野菜王畠田は気持ちよく敗北を受け入れる。 島では獲れない作物もあるが、この島でしかつくれない料理もあるのだ。 ところが、いざ炒めはじめてみると、これまた強烈に目にしみる。 結局、島酒で乾杯する頃には、誰もが再び涙ぼろぼろ。 これも本物のなせるわざと、泣きながら島酒をついでまわるマリーだった。 人の数だけ笑いあり 牛の数だけ情けあり ハートのかたちだハート島 一度会うたら兄弟さ |
ハート島人物録
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