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STORY
01.春の嵐 02.島の子 03.あたらしい夏 04.黒潮の便り 05.明日定食 06.おじいの海 07.元気そば 08.満天の星 09.天使の休日 10.待っている人 11.涙の浜辺 12.本日営業日和 13.いのちのうた 14.店主の器 15.名もなき花で 16.笑顔農園 17.夢の一滴 18.見えない力 19.夏はお熱く 20.恋する珊瑚礁 21.島の魔法 22.ウミガメ物語 23.五風十雨 24.心の花 終 章 全話一括表示 |
![]() 第17話 夢の一滴
ハツミばあちゃんの影響ですっかりこぎれいになった熱風食堂。
オッチャンは野外席にテーブルクロスを導入。
似合わないと主張するショウちゃんらと対立し、とっくみ合いの喧嘩になる。
無責任に声援を送るキヌエねーねー。
そんな騒動も楽しい食堂は、マリーにとってやはり世界でいちばんの場所だ。従業員が出払った民宿で客からの電話を受けてしまった天使は、 一大決心で軽トラ・ハツミ号で港まで出迎えに行く。 客の滝川夫婦から「この島どうです?」ときかれ、 とっさにハツミの台詞をまねて「いいとこですよ、なんにもなくて」 熱風食堂を見たいという滝川夫婦の要望を断りきれずに浜に向たった天使。 ところが、急にとび出してきた牛の親子に動転し、ハツミ号ごと食堂に突っ込んでしまう。 けが人はなかったが、厨房は半壊。野外席も見事に滅茶苦茶。もう喧嘩どころではない。 「本当に何もないのでしょうか・・・」と心配げな滝川夫婦に、苦笑いするしかない天使。 「臨時休業」の貼り紙が出され、早速、作業がはじまった。 オッチャンの号令で、ショウちゃんやシゲさんは仕事返上。 滝川夫婦まで駆り出され、ともに汗をかく。 やってしまったものは仕方ない。あとは再建するだけだ。 天使だけはあしでまといになるからと参加を断られ、海辺でひとりしょげる。 彼女をなぐさめようとした徳三おじいは、お得意の長い昔話をはじめる。 「人生はたすけあい、昔から台風で屋根が吹っ飛ばされたら、みんなで葺いたさ」 夕方にはだいたいのメドがついた。 暑い中手伝ってくれた人たちに、オッチャンは即席海水雑炊で労をねぎらった。 あちこちからマリーを呼ぶ声。店が壊れようと、食堂は健在だ。 そんな様子を見て、滝川夫婦はこの島に住みたいと言い出す。 南の島で喫茶店を開くことを夢見る夫婦は、移住先をさがして島々をまわっていた。 「これも何かの縁です」 ところが、オッチャンは島の暮らしは甘くないと言い捨て、夫婦を宿に追い返してしまう。 心配するマリーだったが、滝川夫婦は翌日も食堂にあらわれた。 オッチャンは笑顔で二人を迎え、黙々と再建に取り組む。 思えば一年前、オッチャンが帰ってきたとき、島のみんなの反応は冷ややかだった。 オッチャンはひとりで厨房を建て、誰も本気にしなかった開店にこぎつけた。 マリーが食堂を手伝うようになったのは、そんな姿を見ていたからだ。 「本気だって認めてもらうには、覚悟と時間がいる」 オッチャンの真意をさとったマリーは、滝川夫婦をじっと見守る。 一方、自ら滝川夫妻をお見送りすると決めた天使は、 嫌がるハツミにたのみこんで運転の特訓に励む。 ハツミ号に刻まれる傷とともに、 彼女も新たなステージに踏み出していた。 数日後、ようやく整った厨房で、滝川夫妻は緊張した面持ちでみんなに紅茶を入れ、 マリーと天使に送られて島を出た。 結局、あれ以来、滝川夫妻から移住の話は出なかった。 果たしてこれで良かったのかどうかわからないが、 ククルヌパナの力は彼らの行き先にあたたかな光を映し出す。 きっと夫妻はオッチャンの気持ちを受け止めて、素敵な店を持つだろう。 いつかまた会えるといい。 熱風食堂に新メニューが加わった。 飲む人の気持ちによって微妙に味わいを変えるその紅茶は、 一年後に民宿の隣りに開店する小さな喫茶店に引き継がれることになるのだが、 その話はまたいずれかの機会に。 会うは別れの港から ふたりあるいた東筋 ハートのかたちだハート島 手をふるきみを忘れまじ |
ハート島人物録
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